ふじでこSNSはみんなで作る富士山周辺地域(静岡県東部の富士宮市、富士市、沼津市、三島市、裾野市、御殿場市や、山梨県富士五湖周辺の富士河口湖町、富士吉田市、忍野村、山中湖村など)のコミュニティサイトです。
IT活用で新しい地域コミュニティを築くSNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)。企業人や事業家からも注目を集めている。営利主義の宣伝媒体ではなく、地域コミュニティを発展させる中で企業と地域の触れ合いを深め、地域経済を盛り上げていこうという試み。実践者の“感触”を語ってもらった。
久恒 県外での仕事が多く地元とのかかわりが少なかったので、自己の職能を生かして地域に還元できたらと思ったことがきっかけ。もともと全国規模のSNSを利用していたが、より地域に密着したサイトを探し、『ふじでこ』に出会った。
買手屋 私は自社ブログで地域の方との交流を通じて『ふじでこ』の存在を知り、企業人としてだけではなく、一市民として一歩踏み込んだ人とのつながりを求めた。
久恒 SNSは自分の情報を発信するだけ、自分に必要な情報を集めるだけにとどまらず、自分の伝えたいことを投げかけ、それに応えてくれることが魅力だと思う。時間的にも場所的にも通常では出会うことのできない人たちと会話を交わし交流できることは、非常に大きな財産だと感じている。
買手屋 私もそう思う。自社サイトのブログでは、私的な考えや出来事は書き込めないが、SNSでは家族のことや日常生活で感じる思い、主張なども書き込めるので、相手に自分の“顔”が見え、読んでくださる方も興味を持ってくれる。大規模SNSとは異なり、例えれば「地域の学校に転入して、新しい友達ができた」という感じかな。
久恒 すてきな表現ですね。他の土地からやって来た者から言わせてもらえれば、本当の意味で「市民意識」を自覚できた感じがある。SNSをきっかけに、地域の人たちとの触れ合いも増え、最近では地区の清掃活動にも参加した。そういう意味では、地域社会の輪に溶け込む「第一歩」になったと思っている。
買手屋 私も休日には、趣味のサイクリングでメンバーの家に立ち寄らせていただいたり、家族ぐるみでイベントに参加するなど、“実生活”の交流に発展している。ITというとネットを通じた交流だけで、実際に人と顔を合わせることが少ないイメージがあるが、『ふじでこ』に端を発したコミュニケーションは、温かな地域社会を実感できる交流へと広がっていると実感している。
久恒 仕事においても「地域」はキーワード。私は今、県外の人たちにも富士地域の魅力を知ってもらいたいと思っている。地域を盛り上げていくには、もっと地元企業が地域にかかわっていくべきで、SNSを第一歩として輪を広めていければと思う。
買手屋 露骨に企業宣伝する行為は逆効果。私的な会話を通じて困っている相手に必要な知識を伝えたり、お互いに情報交換を深め合い“人”として親しんでもらっていけば、結果的に「あの人のいる会社なら…」との信頼につながると思う。人を知り、企業を知ってもらうことが非常に大きな役割だと思っている。
久恒 私も同感です。今、地域社会の希薄化が騒がれているが、『ふじでこ』は昔でいう長屋みたいなもの。失われつつある地域社会性の復権に向けて、大きな可能性を秘めていると感じています。