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2007年9月28日岳南朝日新聞 / ヒューマンストーリー

IT活用し、まちの活性化へ / 地域SNSふじでこ代表 植松雅貴

 コミュニティー型のウエブサイトSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)が注目される中、富士山周辺地域をエリアとした県東部第一号のSNS『ふじでこ』を運営。地域情報の共有化を図りながら、IT活用によるまちづくりの活性化を目指す。富士宮市猪之頭出身。大手電機メーカーで人工衛星などの宇宙開発事業に携わり、現在、IT企業「フォー・プラス株式会社」を経営。確かな技術で地域SNSの普及に尽力する。三十四歳。

 地域社会におけるコミュニティーの希薄化が叫ばれる昨今、新しいコミュニティー形態としても注目される地域SNS。県内でも先進的な取り組みとして二〇〇六年から開設して以来、職種を問わず二十代から六十代まで幅広い年代層のユーザーがネットを介して情報交換や人的交流を進めている。

携帯電話でも簡単に利用できる利便性や、ネット特有の匿名性を排したシステムが利用者に「安心感」を与え、いわゆる“パソコン嫌い”の人々からも人気を呼んでいる。

 「誰でも平等に情報が得られる環境を築き、自らの生活に生かせる社会になってほしい」と嘱望する植松さん。もともとは都市部の人口集積による地方格差、大手一人勝ちの経済格差などに対し、地理的条件や資本力にかかわらず対等に勝負できる社会環境づくりを求めてエリア限定の地域SNSに着目したという。

 実際に地域SNSを立ち上げてみると反響は予想以上に大きかった。買い物情報から時事討論まで用途はさまざまだが、日常生活では出会う機会のない人々との交流、さらには地域に“埋もれた情報”を発見する喜びなどがリアルに反映され、時間・場所的な弊害を超えたSNSならではのポテンシャルが発揮される形となった。

 最大の魅力は、「まちの活性化につながるツール(道具)である」と強調。「従来型の一方通行による情報提供と違い、『個』と『個』の相互情報が積み重なることによって情報を可視化することができ、時代のニーズをより的確に判断できるようになる」との機能性を踏まえ、「SNSはあくまで手段に過ぎず、そこに集まる『人』がまちを創り出していくことこそ大事。SNSは人と人とが結びついてまちが今以上に強くなる可能性を秘めており、地域の特色や潜在的社会価値を見出していけば元気あるまちづくりにつながると思う」と期待感を高める。

 ネット社会は中傷誹謗(ひぼう)や犯罪の匂いなど悪いイメージも多いが、「会員皆が家族のようなアットホームな雰囲気で発展していきたい」との姿勢は崩さず。「子育てやいじめなど困った人がいれば皆が助けてくれる。SNSを介した優しさや温もりの醸成は地域の“外”に対しての、おもてなしに通じる」との見方を示す。

 特筆すべき点は「年齢層の隔たりが無くなること」。趣味や嗜好(しこう)によって世代は偏りやすいが、SNSは多年代が一緒に楽しめる環境を作りやすく、「高年者が豊富に持っている郷土の歴史や生きる経験力を若年層に継承することができる。過疎化の進む地方も多いが、地域の息吹を次代に受け継いでいければ、それが地元共有の財産となり、地域の魅力につながっていくのでは」と一帯感の向上を目指す。

 また、地域の特色として「富士山への愛着が強いことも分かった。毎日当たり前のようにたたずむ富士山は地元にとって見飽きていると思われるが、それにもかかわらず富士山写真をSNS内で掲載する人も多い。やっぱり皆、富士山が好きなのだと思う」としみじみ。

 「SNSを活用するにあたり、いかに自分の暮らしを楽しむかが大事。いつも笑顔で明るく暮らしていける地域社会になれば、きっと誰もが地元を大好きになる。魅力ある地域を目指していきたい」と笑顔を見せた。

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